News Review: 自動運転関連のニュース データはどこに売られていくのか? 次の自動運転マップは誰がとるか?

自動運転の普及が近づくにつれて、自動運転が実現された以降の話題が増えてきたきがするアメリカ。

そのひとつがこれ、自動運転データは今後、第三者に販売されていくだろうという対談の動画である。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-02-20/the-car-of-the-future-will-sell-your-data

なぜ売るのか、コンシューマーが納得するのか、については、ちゃんとそれに見合うベネフィットが用意され、コンシューマー自身が同意のうえで行われていくだろうとのこと。例えば、保険が安くなったり、換金したり、信用クレジットがあがったりなどなどがあげられる。
そして、これを行っていくのは、自動車会社たちが中心になるだろうとも言及する。

自動車データは現在もナビゲーションやUberなどのライドシェア、更にはスマートフォンの移動履歴などによって既に多くが取得されている。その中でも、スマートフォンを握っている、GoogleとAppleが一番多く持っているかもしれない。その優位性を、今後自動車メーカーたちが覆していけるのか、それとも、Waymoのような、アルファベットカンパニーが再び握ってしまうことになるのか、戦いが始まっている。

日本の自動車メーカーも運転データのことは意識しているし、トヨタのTRIなどはその移動データの研究とAIの活用のために建てられたような研究所だ。データを蓄積してインテリジェンスにかけ、商業化を図る、そういう自動運転の次の戦いも見越した戦略が、各自動車メーカーに要求されるだろう。Googleなどに対抗するためには。


ところで、Googleはひとつ、大きな武器をもっている。
地図だ。
自動運転、ナビゲーションに欠かせない地図は、代替品はあるとはいえ、GoogleMapが圧倒的だ。

そして、こんな記事もある。

Nobody Wants to Let Google Win the War for Maps All Over Again


https://www.bloomberg.com/news/features/2018-02-21/nobody-wants-to-let-google-win-the-war-for-maps-all-over-again

これによれば、既に二次元のデジタルマップで覇権をとっているGoogleは、更に12月の発表で、自動運転に使える高次元な立体マップサービスを作成中とのこと。明確にそれを自動運転メーカーにライセンスするとはいっていないが、そのように使えるものだ。そして、これは、グループ会社である、Waymoとは独立して個別に作っているとのこと。あくまで、GoogleMapやナビゲーションサービスの一環ということだろうか。

自動運転マップを作るには2つのアプローチがあるといわれている。ひとつは、完全で自律的に自動運転ができるための完成マップを作ってから搭載することと、少しずつ低次元でありながらも、車にセンサーを装備してデータを集めて、徐々に自動運転をしていくやり方である。

そして、Googleはその両方をとっており、

インテルとMobileEye、テスラは後者のアプローチをとっているようにみえる。

Googleと同じ道を突き進むのは、Waymoや、Hereである。

自動運転マップはマップの最新データを更新し続けることが非常に重要である。ひとたび、路のがれきや、崩壊、通行止めなどの情報が洩れれば事故につながりかねない。だが、高次元な完成度の高いマップを作ってから自動運転では、コストもかかるし、何より実現に時間もかかってしまう。

後者のアプローチをしながら、本物に近づいていくやり方で、商業化とともに進展していくのがもっとも効果的のように感じる。

自動運転マップの競争、実世界のデジタル立体地図化はどんどん進んでおり、Googleが先行しているようにも見えつつも、次のナビゲーションの王座をとろうと、自動車メーカー、ライドシェアのUberなど、さらには、Hereのような地図サービス会社も躍起だ。

勝敗を決めるのは何か、パートナーか、国との取り決めか、スタンダードか、サービス品質のデファクトか、それは分からない。一番効率がよく、コストもかからない方法であろう。

その点、最初の商業化から攻めているテスラは、強い。もし、事故さえ起こさなければ、データ蓄積含め、いい線を狙えそうだ。

Waymoは未知数。パートナー次第だと思う。

もちろん、日本でも、自動車メーカーの合同合弁会社、ゼンリンなども取り組んでいる。ただ、日本の地図だけにとどまっていることは否めない。ローカルで勝負して、グローバルにスケールするまでは考えていないかもしれない。

規模の違いは、ゆくゆくあとで効いてきそうだ。

以上

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