ニュースレビュー:中国版ウーバーのDidi Chuxing(滴滴出行)が自動運転関連の特許150件を取得

翻訳、2月17日の記事です。


IPアドバイザーファームで、特許ブローカーのTangible IPによれば、滴滴出行は、フランスの French Sovereign Patent Fundから150件近い特許ポートフォリオを購入することに成功したとのことです。同社はその仲介を行ったとのことでアナウンスがありました。合意のディテールまでは開示されないようです。

昨年12月に、滴滴出行は、ソフトバンクグループから巨額の資金調達に成功し、同社の時価総額を56Billionにまで押し上げ、キャッシュの余裕も12Billionほどあるとのことです。滴滴出行によれば、これらの資金は、主にAI能力の構築と強化、国際的なサービスの拡大、そして、ニュービジネスを展開するために使われるとのこと、ニュービジネスの中には、新しいエネルギーを利用した自動車サービスやそのネットワークなども含むとのことです。電気自動車や、新エネルギー自動車を指しているのでしょう。

そして、ソフトバンクと滴滴出行は、タクシー業界のサービスのためのプラットフォームを共同で提供していくためのパートナーシップもアナウンスし、これらのトライアルサービスを日本で始める旨、昨年発表しました。

滴滴出行が、そのフランスのファンドから購入した自動車、自動運転関連のポートフォリオは無人自動車に関するものです。それは、もともとは、フランスの防衛産業を請負っていたThalesが保有していたもので、LIDAR(Light Detection and Ranging)Technology、距離などのリモートセンシング、RADAR、ヘッドアップディスプレイなどが含まれていました。

これらは自動運転のセンサーや頭脳を強化するために使われそうです。

Tangible IP のCEOによれば、このThalesのパテントポートフォリオは非常に優れていて
実践的で、すぐに自動運転業界に適用可能なものだと話しています。

また、IPストラテジストのなかには、航空業界もその次になるだろうと予測しています。

売主だったフランスのファームからは、「もともと我々はライセンスによって自分たち自身がマネタイズするプログラムに注力している、新しい投資段階のステージにたち、我々のポートフォリオの刷新を始める段階にきたとき、売却をする、今回はTangible IPがいいパートナーになれた。」

とのこと。

http://www.ipwatchdog.com/2018/02/17/didi-chuxing-patents-self-driving/id=93888/


所感

最後の、フランスのファームからの、ライセンスするつもりだったけど売却した、というのは気になるトーンである。
もともと、様々な技術アプローチで無人自動運転は行われようとしており、ひとつのポートフォリオを大事に抱えていても別の方式に逃げられてしまう、それなら一社の独占的な強みの武器として売却してしまおうと考えたのもかもしれない。

自動運転はまだ完全には実現できていないテクノロジーで、課題も多く、先行するアルファベットグループのWaymoでさえ、時には人間に運転権限を委譲しないといけない場面が起きているという。

しかしながら、基礎技術は確立しているので、特許権と技術を与えてマネタイズするのは
今がチャンスだと考えたのかもしれませんね。

ましてや中国の滴滴出行は、ウーバーのようなライドシェアこそ大きく進展していますが、自動運転に関してはまだ後発プレイヤーだと思いますから。

以上

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