世界のクラウドインフラサービス市場成長 AWSはシェア3割キープ

米調査会社のCanalysからクラウドサービスの市場調査レポートのハイライトが出ていましたので少し紹介します。



https://www.canalys.com/newsroom/cloud-infrastructure-market-grows-45-2017-faces-challenges-2018

クラウドインフラストラクチャーの市場とありますので、サーバーやストレージ、ネットワークなどのコンピュータパワーをネットワーク提供するタイプのIaaS~PaaSがこの市場データのドメインかと予測されます。ハイライトには細はなかったですね。

これをみると、世界的に2016年から2017年にかけて、クラウドサービスは45%の成長を遂げて、$15.6Billionの市場になったとのこと。1ドル百円として、1兆56億円ですから非常に大きな規模になってきていると思います。

シェアを見ると例年変わらず、AWSが32%、3割以上をキープ。新興勢力が出てくる中で、さらに猛追をMicrosoftやGoogle、IBMが頑張るなかで、このポジションは凄いことだと思います。相変わらず、2位から4位をすべてたしても、AWSには敵わない。これは、従来、ITサービス市場(コンサルティング、インテグレーション、運用マネジメントなど)というのは、国ごとでばらけることが通常なので、世界シェアがこう傾くのは非常に珍しいです。つくづく、ボーダーレスなサービスなのだなと改めて感じます。

ちなみに上位ビッグ4の成長率は以下のような状況です。

Microsoft (up 98%) grew the most, while Google (up 85%), AWS (up 45%) and IBM (up 9%) 

Microsoftがもっとも成長していますが、もともとスタートが遅かったので少額からのパーセンテージであることと、既存の置き換えがうまくいっているのでしょうか。SaaSのサブスクリプションは伸びているイメージですが、IaaSとしてはさほどどうかな、というのが個人的感触です。AWSはただでさえ、規模が大きいのに、さらに45%の伸びというのは、この中で結局最も伸びているということになります。IBMは成長しつつも、伸び悩んでいますね。

成長は伸び続けるものの、今年はチャレンジな年になるとアナリストは予測しています。その主要な要点はコストとセキュリティだと語っているようです。
セキュリティは最近インテルが発表した、メルトダウンのような半導体、ハードウェア上のセキュリティリスクが、ネットワーク上から攻撃されやすいクラウドに影響を与えるのではないかということが、危惧されています。

加えて、グローバル、越境データ規制が懸念としてあがっています。やはり筆頭は中国とEUでしょう。特にEUは今年5月25日から、GDPRを発効させます。これは、EU国民の個人データプロテクションに関する非常に厳しい措置であり、クラウドサービス業者はこれらに従う必要性があります。

逆に、うまくこれらの、コスト、セキュリティ、越境データ管理とコンプライアンスに順応することができれば、クラウドサービスは普及に向かいます。

この3つが大きな課題でしょう。

以上です。







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