Lyftよ、お前もか。Lyftユーザーの連絡情報や移動情報は覗かれていた?

英語の勉強もかねて、アメリカの面白そうな記事を翻訳していきます。
https://techcrunch.com/2018/01/25/lyft-god-view/

Lyftが乗客のスパイをしていたというタイトルのニュースです。どうやら元Lyftの社員のインタビューにより発覚したようです。

分析と称して履歴データを盗み見

かつて、Uberのアプリが、アプリをインストールしたスマートフォンから、Lyftの乗車歴や、連絡先情報などを盗みとっていた「God View」機能がスキャンダルになって、こき下ろされていました。画像が上のニュースにあったので引っ張っておきます。

UberのGod View 旅行者の移動履歴が見える

https://techcrunch.com/2018/01/25/lyft-god-view/

一方、Lyftは真っ白かと思いきや、同じことやっていた!というのがこのニュースでした。具体的には、連絡先情報と、乗車履歴を抜き取って分析ツールに蓄積して、検索できるようにしていたとのこと。そして、さらに、その分析ツールが厳重に管理されておらず、濫用されて、覗き見ることができる状態にある、というタレコミだったようです。

実際は、そのLyftが蓄積している乗客ログ解析ツールは使用ログが残るようにはしていたらしいですが、特にペナルティなどがなかったために、従業員からはアクセスされほうだいだったとか。Uberより白く見せようとしていたLyftでしたが、これはいけない。


過去をたどれば2014年にUberのGod Viewが発覚してから、2015年にはLyftも同様の旅行者のプライバシー侵害について議員から質問を受けており、体制を見直し、独自の仕組みによってしっかり保護する旨の回答が答えられていたようです。

その信頼を裏切ったことになりますね。従業員はバックエンドのソフトを使えば生のデータにアクセスすることが可能になり、評判の悪い人の情報や、有名人のコンタクト情報も入手できてしまうそうです。社員の中には、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOの連絡先を手に入れようとして、できたとか書かれています。


本当かどうかはLyftの反応が待たれます。

一方で、悪いのは勝手にアクセスしている従業員であって、
Lyftはサービスに必要なデータを管理・分析しているだけ、にも見えなくもない、かな。



最後に雑感

意地でも移動データを蓄積し解析したいアメリカ企業。GoogleもAppleもスマートフォンOSを使って、我々の日々の移動データを蓄積しています。Googleに至っては、自分たちでLocation Historyを確認できるよう、サービスまで提供しています。彼らのデータ蓄積とInsightにかける情熱は恐ろしいものがありますが、それが将来の優位性につながることを予期しているのでしょう。膨大のデータの蓄積には相当な金もかかっていますし、それをうまく活用できなければ無駄なコストです。貯めたデータを活かしきる算段があることと、なにより、データは自分たちで集めてなんぼだ、という点がにじみ出ているなと感じました。

シリコンバレーは基本的にリーガル面に関しては緩いところが多いと感じます。NDAなしでの技術情報や会社の情報の交換、本件のようなプライバシーの侵害などなど。それが強みであり魅力だったりもしますが、実際にたくさん問題が起きています。特にUberはひどかった!Waymoのトレードシークレットの盗用、セクハラ事件、ドライバー罵倒事件、God View事件、チップ事件、枚挙になんとやらです。やはり、会社やサービスの規模が大きくなればなるほどリーガルの重要性は増しますね。Uberであっても失墜してしまうものです。ある程度大きくなったところで、リーガルの責任者を置いて、引き締めるべきなのでしょうか。ただ、あれもダメ、これもダメ、というだけのリーガル責任者では、今回のようなデータの蓄積や分析に関しても、待ったをかけてしまいそうです。競争力の強化と、リーガルのバランス、成長に待ったをかけてしまいそうでそのことが懸念されますね。

以上



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