アメリカ生活:チップについて


アメリカ西海岸のチップの文化について紹介します。




日本だと全く考えられない文化なので、いやだなあと思っている人も多いでしょう、私も慣れましたが、やっぱいやですね。普通に高い料金がさらに高くなるので。一応いろいろ予習はしていきましたが、現地で実際にやってみると、お店のタイプによっていろいろあるので結構驚きました。いろんなガイドブックにも載っている話ですが、私がベテランの人から聞いた話も含めてシェアしたいと思います。

ご紹介するポイントは以下の3つ


  ●なぜチップが必要なのか?

  ●チップの相場は?


  ●チップの払い方



1.チップの文化について


なぜチップ文化がアメリカで根付いているのか、アメリカ以外にもあるといいますが、アメリカの場合はなかなか理由が明確です。

簡単に(乱暴に?)説明すると、アメリカの場合は「給仕する人」の給料が著しく低いので、自分たちでサービス頑張って、おこづかいを稼がないと食べていけないとのことです。

アメリカの歴史的背景と合わせてみると、アメリカはもともと移民の国です。南のメキシコからも多くの不法入国者が入ってきていますし、アジアからも中国、インドを筆頭に、ビザが切れてしまった人たちも居住して生活し続けるひとたちが大勢います。

そういった不法滞在の移民のひとたちを、ある意味安い労働力として、アメリカの使用者が使い、それだけでは生活できなかった彼らが、精いっぱいのサービスをすることで、チップという形で収入をもらうことで、助け合いながら、バランスをとっていく、そんな文化形成があった、

という話を聞いたことがあります。ほんとかは分かりませんが、ありうるし、いい線だと思っています。アメリカはメキシコのビルド・ウォールだといいながらも、移民をさんざん利用しつくしてきた国ですから。

今となってはすっかり文化になっていますので、あまりこの辺は意識されていません。なぜアメリカでチップが必要なのか?それはもう当たり前、助け合い、感謝と気持ちのいいやり取り、という風にとられている感じがします。

(ただし、自動車のライドシェアサービスのウーバーではチップが問題になりました、あれはチップをとる仕組みがなかったからです、ドライバーは星評価のためだけにサービスをして、チップがとれないことを不満にもち、訴訟にまで発展しました。ドライバーが最後は勝利し、ウーバーはチップの支払いを認めました。)

チップは英語でTipですが、別名Gratuity(こころづけ)とも書かれます。そんなニュアンスが伝わってきますね。

また、このチップの考え方は、昨今の「ソーシャル評価」にも通じるものがありますね。星が沢山ほしいからサービスがんばる!のと、チップはずんでほしいからサービスを頑張る!が似ています。

ただ、星だけじゃやっぱ寂しい!チップも欲しい、のがアメリカ。
ウーバー事件はその結果でしょう。


一時、チップをなくそう、チップのないレストラン、なんてのも日本のニュースで見ましたが、これはなくならないと思います。もはやアメリカのポジティブな文化になっていますし、収入にもなっていますし、いまさら「チップは結構です」って説明することのほうが、お店もお客様も、面倒くさいことになります。かえって気まずい空気になるのでは?サービスする側のモチベーションもおちますし!





2.チップの相場は?払わないとだめ?

一言でいうと、受けるサービスによります。払うほどのサービスを受けてない場合は払わなくてよい場合もあります。例をあげていきましょう。

チップはサービスに対する心遣いなので、あらゆるサービスを受けた時に生じます。

ホテルの荷運びポーターさん(ドアマン、ベルマン)、ベッドメイキング、レストラン給仕、あたりが日常の代表格でしょう。私はレストランがほとんどです。

だいたいホテル関連はだいたい相場が決まっています。ネットやガイドブックに書いています。基本的には助けてもらったときだけ支払いましょう。

ホテル
 ベルマン・ポーター:鞄ひとつにつき重さによって1つ2ドルから5ドル幅
 ベッドメイク:枕元やわかるところに1ドル
 ドアマン:タクシー手配してくれたり1ドル、2ドル

フロントのコンシェルジェにチケットやレストランなど手配してもらったときは5ドルから、難しさにおうじて、10ドル、20ドルとあげていくのがよいという説明も見ました。まあ、あんまりないと思いますが。

つづいて、一番支払うことが多いのはやはりレストランでの支払いでしょう。

 レストラン:飲食代の税抜き15%から20%
 ファーストフード、ドライブイン:不要

レストランはグレードによらず、同じ相場です。
考え方として、いいサービスほど金を払うものですが、人数を考慮する場合があります。たとえば6人以上で食事したときは担当の給仕さんが結構大変です。そのときは、18%が相場だといわれています(伝聞です)。もちろん、落ち度があれば、最低限で構わないでしょう。サービスのレベルが人数に割かれるのに、値上げするのは変だというのもありますが、この辺は心遣いですかね。




ファーストフード、ドライブインは不要と書きましたが、これに限らず、パン屋とか、レジでに注文して、出来上がったら取りに行くようなセルフサービスのお店では、チップは発生しないのが基本です。レシートを見ると、チップ代を書くところがあったりもしますが、0ドルでOKです。最低限のサービスなので。




次にタクシーです

 タクシーもレストランと同じです。15%から20%
 ウーバーやリフトなどのライドシェアも同じ分類で考えていいと思います。
 でもまだチップ根付いていないかな?




その他のサービスでは、
旅行ガイドにもガイド終了後に10%支払うとか、サロンとかマッサージでもチップをつけるという話はありますが、この辺はやったことないので事前にチェックしておいたほうがいいでしょうね。


スーパーやショップのレジには、袋詰めしてもらうことはできますが、チップは基本的には生じないです。ただ、袋代をとられることがありますので、マイバッグ、エコバッグを持ち歩くのが通常です。



私は袋が欲しいからいつも袋くださいといって金払っていますが。まあ安いですし。


最後に、サブタイトルにも書きましたが、
サービスを受けたら、チップを支払うのはマナー以上の義務です。払いましょう。
そして相場も間違えたらトラブルの元ですので、さっと予習しておきましょう。基本的には料金の15%で、あとはホテル周りのサービスとか覚えれば十分かと。

イメージとしては、すごく高い消費税、って感じですね。。。

ただでさえ物価高いのにトホホ



3.チップの払い方

最初は結構迷いました。これ。

よくみるのがカジュアルなレストランだと、テーブルの上においておk!

ですが、嘘つけバカヤローと思っています。

正確には嘘じゃないのですが、カジュアルかそうでないかの違いもよく判りませんし、だいたいはそれ以外の方法で統一されています。テーブルに置くパターンはあまりみません。

ここではレストランでの話を中心にします。レストラン以外は、サービスが終わった段階で現金で支払うのが基本でしょう。(ベッドメイキングは置くだけですが)

レストランでのチップ支払い方法は大きく下の2つ


1)食事が終了したタイミングで渡されたオーダー合計の紙(請求書みたいな)に対してクレジットカードで支払い、渡された紙にチップの金額を書いて置いていく

2)レジで現金で支払う、チップの箱に


まず、1)については、カード支払いが前提で話しますが、食べ終わると担当給仕さんがオーダーと値段が書かれたもの(レシートみたいな下の写真)をもってきてくれます。それにカードをそっと乗せておくとレジにもっていって、会計してくれます。そして、カードの返却とともに、署名とチップ金額について空欄で渡されます。それに、チップ金額を自分で計算して記入し、トータル金額を紙に書いて、署名します。これで完了!もう支払い済み扱いなので、紙を店員に渡さずとも、そのままテーブルに残し、あとは席を立って帰るだけ。後にチップ金額合計で決済されることになります。お店用と、自分のレシート用と2枚渡されるのが通常なので、間違えないように。



最初はそもそもクレジットカード渡して、持っていかれることに危機感おぼえていましたが、もう皆そうしていますので今ではさくっと渡しています。


2)については私はあまり洗練されていませんが、お店のなかには、上のようにオーダーをもってきてくれなく、レジで直接やる場合や、現金のみでお願いされる場合があります。その場合は請求された金額をレジで現金を支払いつつ、チップ代を計算して、それに合う金額をレジ横においてあるチップ入れの箱や瓶などに入れます。多分これであっていると思います(笑)または、必殺、テーブルのうえに置いておくのも無難でしょうね。ただ、それをやったら、給仕の人が掴んで、レジ横のチップ入れに突っ込まれました。なんか申し訳ない。

たまにレストランでも、Cash Onlyのお店もあります。普段から現金は持ち歩いていくのがいいです。(主にアジア料理のレストランやラーメン屋)


4.その他注意点

現実はいろいろあります。


まず、チップ用の現金を用意してください。

カード社会になれると、現金が尽きることがしばしばありますが、たまにとんでもなく困ります。ガソリンスタンドで国際クレジットカードを受け付けてくれなかったり、チップを払えなかったり、割り勘できなかったり、そういうシチュエーションはたくさんあります。

アメリカはカード社会だぜ、カード1枚でいいぜ、というのは完璧ではないです。結構現地の人も、レストランなどは現金で決済しているように見えます。


割り勘するときどうするか?

たくさんの人数でレストランで食事して1枚のオーダーシートを渡されたとき、割り勘やチップの計算をどうするのかという話です。方法はまあ普通に割り勘なので色々あります。例えば、人数分のカードを出して、Splitできるかをお店に頼むことです。すると、できる場合、できない場合、2枚までならOKという場合など、様々な答えが返ってくるでしょう。めんどくさい!お互い!

ならば、誰かが一括で払って、ほかの人はその建て替えた人に、現金、またはスマホアプリですぐ送金してあげるのがいいです。もちろん、それぞれがチップの15%などを盛り込んで支払います。

あとは、オーダーシートをそもそも人数分に分けてね、という方法ですね。

スマホ送金に関してはまた次回以降で説明したいと思います。



税込みでチップ計算するか?

普通は税抜きですよね。
たまに税込み金額で表示されて誘導されますけど。
まあこの辺も満足度で決めてよいかも?



チップ計算に便利な方法はあるか?

暗算得意だとそらでできそうですが
スマホの電卓で、1.15かけてトータル金額を払うか
チップだけ割り出したいなら0.15かけてみると楽です。
まあ普通の正攻法ですね。

暗算だと、とりあえず10%と20%でだしてみて、
その中間のいい感じの金額をさぐるという方法もあります。

24ドルの食事をしたとして、2をかけて、10分の1にしたら4.8ドル。
満足したならそれでいいし、普通ならば、10%の2.4ドルとの間を
とって3.6ドルかな???

みたいな感じ


思ったより長くなりましたが、こんなところでチップの話はおしまい。



以上

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