カリフォルニア州におけるホームレス問題の現状と取り組み


http://www.sacbee.com/opinion/op-ed/soapbox/article211471884.html

情報集めをしていたところ、カリフォルニアのニュースを取り上げるTwitterを発見してニュースを追っていました。いくつか興味深い内容だったので取り上げたいと思います。

なお上の写真にも挙げていますが、カリフォルニア州のホームレス問題は、アメリカ全体の中でもかなり深刻なようです


1.カリフォルニア州が如何に凄い都市か

http://www.modbee.com/opinion/editorials/article211627809.html

カリフォルニアといえば、日本を飲み込むほどの広大な土地と、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、シリコンバレーエリアをもつ、西海岸の大発展地帯といえるでしょう。有名大学も沢山、カリフォルニア大学、バークレー、スタンフォードなど、かなり多くあります。エンジニア移民、特に中国、インド系の数も相当いてアメリカで一番集まっているかもしれません。

IT産業以外にも、地域の自然にも様々な特徴があります。モハーベ砂漠、シエラネバダ山脈、ナパのワイナリー農場、アーモンド農場、切り立ったビーチ、セコイア・レッドウッドの森など、自然観光や作物、飲食産業も非常に発展しているといえます。凄い!

また、以下のようなデータがWikiから出てきました。最低賃金も自給はなかなか高い。
あと州都はサクラメントだったんですね!知らなかった(笑)シリコンバレーからは離れていて40分くらい車飛ばさないと行けないところです。

最低賃金: 11.00 USD 時給 (2018年1月1日) 急上昇
州都: サクラメント
面積: 163,696 mi²
人口: 3954万 (2017年)

また、カリフォルニア州は
世界でも5番目に経済力をもつ都市にもなっていて、
州財政は90億ドルの黒字なのだそうです。

California recently grew to become the world’s fifth-largest economy, home prices are continuing to rise, and the state’s coffers are flush with a $9 billion surplus.
http://www.sacbee.com/opinion/op-ed/soapbox/article211471884.html)¥



ちなみに東京都は1288億円の黒字、1円100ドルとすると約13億ドルの黒字だから比較にはなっている?

ただし、毎年4500億円程度の公債を発行し続けているそうですから、これって黒字っていっていいんですかね。総額は兆を超えるえらいことになっているそうです、公債。

*関連リンク
http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/zaisei/kessan/h28.html
http://agora-web.jp/archives/1637102.html



2.カリフォルニア州が抱える大問題s

数えれば実にたくさんの問題を抱えていますが、目に見えて誰もが困っている問題としては、「住宅問題とホームレス」が挙げられています。カリフォルニア州、特にシリコンバレーやサンフランシスコを中心に、収入格差により、土地建物の値段は上がるばかりです。高収入がなければ、家を借りることもできない人が多くいます。

(マウンテンビューエリアでは、築50年以上の1K、40㎡の部屋を1か月借りるだけで25万円近い賃料が発生します、そして次の更新のときにはさらに1,2万円くらいが乗せられるでしょう。)

もちろん、その他にもたくさんの問題があります。

教育においては高すぎる学費をどのように支援するか、老朽化した道路や水道などの社会インフラをどのように維持・改修するか、ワイルドファイアーが頻発しており、そのような自然災害にどのように備えるのか、などが特にポイントだと指摘されています。(アメリカ全体の問題としてはさらに高額すぎる医療費や保険制度も非常に大きな問題です)


今回は特にホームレス問題にスポットを当てます。


カリフォルニア州にはストリート住まいのホームレスが13万5千人もいるとのこと。

これは、アメリカのホームレスの4分の1の数字だそうだ。

そして、その半分はカリフォルニア11の大都市にいるとのことです。代表的なところで、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴなどでしょうか。



3.カリフォルニアでよく見る景色

カリフォルニア州内を自動車や電車、徒歩で移動していると、特に都市部、サンフランシスコやロサンゼルスを中心に非常に多くのホームレスを街中で見かけます。

私がかかわった話を少しだけ(ホームレスエピソード)

・サンフランシスコでは、日陰ゾーンと日向ゾーンが暗に分かれており、ホームレスが多く集まっている場所もあるし、日向ゾーンの通りでも場所によっては通りに一人ずつ、大声で叫んでいたり、道端で座り込んで乞食などをしている様子を見ます。目を合わせて対応したりしない限りは、多くのことは言ってきませんが、絡まれるとなかなか離してくれないでしょうね。

・シリコンバレーエリアでは、よくハイウェイの入り口や出口の信号で待ち伏せして、止まった車に対して、看板を掲げて様々なPRをする人、トレイルの道の途中で大声で(ラップで)抗議し続けている人、ショッピングセンターで張って、出てきた客を捕まえて、お金や食べ物をお願いしてくるようなひとなどがいました。外国人の身としてはどう対応したものか悩みます。恵んでもキリがないし、これは外国の問題でもあります。一度、家に訪問してきたよくわからないボランティア団体?の人に寄付をしてしまったことがあり、それ以来はお断りしています。こういうのは正規のルートでやらないと根本解決にもならないですし、人を救えるほど私はパワーも金もありませんので。また、キャンピングカーなど車生活している人もちらほらいます。

・ロサンゼルスでは、ハリウッド通りの早朝が怖いなと感じました。中心から少し離れたところにまた等間隔ぐらいにいて、まともに見えるホームレスがあまりおらず、頭を抱えてたり、何か遠くを見ながらブツブツ呟いていたり、ドラッグをやっているのか、精神疾患を抱えてしまったのか、退役軍人なのか、まったく見分けが付かない人たちがたくさんいました。


つまり、日本のホームレスが慎ましく健全に、自活生活をしているなと感じました。
(空き缶集めたり、川沿いでテントはったり)震災あとの日本人みたいに



オークランドやイーストパロアルト当たりでは、貧困、ホームレスを飛び越えて犯罪者的な行為が横行しているようです。彼らはもはやホームレスという枠に入るのかも謎です。



4.州の対策は、シェルターの設置

この住宅、ホームレス問題に対して既に州は答えを用意していとのことです。

非常に直接的ですが、ホームレスになった人たちのための緊急住居(シェルター)とメディカルケアを与えてやることです。


https://www.homelessshelterdirectory.org/cgi-bin/id/city.cgi?city=Los%20Angeles&state=CA

一度ホームレスになってしまったり、メンタルの傷を負ってしまうと再起が難しくなりますので、そのケアを行い、更生して、また働いてもらうというものです。

ホームレスの大半は大都市にいますが、実際のところは郊外の一時的なシェルターに避難したいと考えている人が多いようです。

すでにシェルターはたくさんあるようですが・・・(以下は一覧)
Sunnyvaleにもありますね。
https://www.homelessshelterdirectory.org/california.html


カリフォルニア州知事のJerry Brown氏は今年、2億5千万ドルの予算をこの緊急シェルターの設立に充てることにしたようです。

これのほかにも、民主党が国全体の予算として15億ドルもの予算をこのホームレス問題に充てる動きもあるようです。(サンフランシスコの議員の発意より)

カリフォルニア州としては財政にまだまだ災害対策などの余剰もあり、もっと投資すべきだという声もあがっています。

ホームレス問題は国としてだけでなく、その土地の州の問題として取り組むべき事案であり、州としてもこのような予算を投じることに歓迎の声も多いようです。実際、細かな地域ごとの配分などは州政府でなければ対応が難しいかもしれません。

放っておけば問題は大きくなるばかりです。如何にして連鎖を狭め、富を分け与え、更生のチャンスをやり、好循環サイクルを回すか。

シェルターの設置は短期的な取り組みですが、富めるものが富むばかり以外の、貧困と成功者との新しいエコシステムづくりが求められるところです。

そしてその責任は州や国にあるのでしょうし、それをITで解決するシリコンバレーの土壌がまた助けになるかもしれません。


さて、私がもうひとつ気になっていることがあります。

ニューヨークやアメリカの各都市では、ホームレス問題が大きな社会問題になっているといえますが、最近大きく発展してきた中国のイノベーション都市などはどうなっているのでしょうか?

中国の上海、北京、深圳などのスポットでも同じように土地の値段が跳ね上がり、高給取りしか住めない町になって、職を失ったホームレスが大都市に跋扈して歩いているのでしょうか??

それともこれは移民が多い、アメリカだけの現象なのでしょうか??(少なくとも中国のスタートアップ文化は多くは中国人が回しているもの、親御や実家も中国にあるはず)

今の私には答えが出せませんが、インターネットの力を借りてちょっと調べてみたくなりました。

以上


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