バイクシェアのLime Bikeがマウンテンビューにやってきた!



先日、Uberが買収したバイクシェアJump Bikeの話をブログでとりあげましたが、(https://seiuchiyama.blogspot.com/2018/04/uberjump-bikes.html)今度は競合でかなりサンフランシスコでも乗っている人が多かったLime Bikeについて紹介します。

なんと2018年の5月から、マウンテンビューの町でパイロットプロジェクトとしてLime Bikeサービスがローンチされたんです。私の地元なので、ラッキー!と思いました。他には、OFOという電動アシストなしのスポーツ寄りの通勤自転車が許可されたようです。


マウンテンビュー市のパイロットプロジェクトとして承認されたとのことなので、一定期間やって、結果がよくなかったらやめるかもしれませんね。

なお、上の記事によると、電動バイクシェアを市が導入するにあたっては百万ドルの投資と、年間の10万ドルから20万ドルのメンテナンスコスト(充電やら回収やら?)がかかるとのこと。それをせずに、シアトルでのプライベートマーケットプレイスの例を採用し、Lime Bikeによる乗り捨て型を認めることによって、費用ほとんどなしで実現したということが書かれていました。

なんだ?プライベートマーケットプレイスって。

B2Bで企業から金を出させあうのか?

まあ今回は体験談にとどめつつ、また分かったら補足しようかなと思います。

OFOもいくつか町で見かけましたが、今回はLime Bikeだけ。

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マウンテンビュー駅にドックが設置

マウンテンビューにはカルトレイン、VTAなどの電車が止まる駅があります。ダウンタウンの入り口にあって非常に好立地です。そこの隣の公共スペースに、Lime Bikeの電動アシスト自転車と、OFOのイエローな自転車がずらりと並んでいました!!

ただ、充電器施設らしきものはなく、ただ駅前に並べて置くようにしているというだけみたいですね。充電どうやってやって、ここに戻しているのだろう??



基本的に乗り捨てOKのため、ほかにも住居の前、店の前、駐車場などに放置されているのを見かけました。このドックの数がちゃんと維持できるかな?そこはLime Bike自身がフォローするのか?気になりますね。


目的はラスト・ファースト1マイルのカバーと車を減らすこと

そもそも都市がバイクシェアの導入を決めるのはなんのためか。アメリカだと車社会ですが、その車が多すぎて駐車場を潰し、交通を非常に不便にしてしまいます。駅の近くに住んでいる人には自転車などで来てもらい、車を出す人の数を何とか減らしたいというのが都市課題としてあります。

今回も、そのファースト1マイル、ラスト1マイルを埋めて、マウンテンビューのダウンタウンから車を減らして交通を円滑にしよう!
というのが狙いのようです。

個人的に、マウンテンビューはそこまで交通大変じゃないと思うけどなあ・・・。


使い方・始め方

始め方は簡単です。ざっくり全体の流れを並べると・・・・

① Lime Bikeのアプリをスマホでおとす(AndroidでもAPPLEでも)
② アプリを起動してマニュアルに目を通す
③ お金をチャージする(自動チャージの設定もできる)
④ 近くにあるドックまたは放置自転車をGPSとマップを見て探す
⑤ バイクを見つけたらスマホでロック解除する、課金が始まる
⑥ 目的を終えたら、適切な場所に移してカギをかける、課金が止まる
⑦ 行動記録が表示される、おしまい

①は割愛するとして、

②アプリ起動でマニュアルの表示

キックボードも扱っていますので、そっちの使い方の説明や停め方なども表示されます。やっぱりキックボードも自転車と同じ軽車両扱いで説明しています。つまり?ヘルメットつけて、自転車専用道路を走れ、歩道は走るな、的な話です。
でも、キックボードで自転車専用道路ってのはどうだろうか、ハードル高いのでは。




③お金をチャージ

料金はクレジット自動引き落としでなく、いったんアプリにチャージして金を支払います。そこから乗った分だけ差し引かれるシステムです。ちなみにLime Bikeは1分15セント、初乗りロック解除で1ドルひかれます。

あれ?結構高くない?電動とはいえ。



支払い方法はiPhoneならApplePay登録していたらすんなりそこから払えます。

GoogleのAndroidPayも同様でしょう。

10ドル、20ドル、50ドル、ボタンを押すとバランスに反映されます。

そして自動チャージするかを確認されます。

④自転車を探そう

アプリを立ち上げるとマップとGPSが起動します。うおっ!!

結構沢山あります。遠距離にしても、マウンテンビューだけじゃなくて、クパチーノやサニーベールまで漕いでいっているツワモノがいます。



 近いバイクをタップすると、そこまでの距離や行き方、時間などが表示されますのでてくてく歩きます。予約はできません、もし他人に先にとられたら、おしまいです。

Jump Bikeはたしか予約ができたはずです。ただ、予約したら課金されるんですよね。どちらがいいかは微妙です!


⑤自転車のロックを解除

アプリの地図を見ながら・・あったあった。なんでこんなところに放置してんねんww



アプリ上でこの自転車の位置をタップすると、カメラアクセスと、バイクに貼ってあるQRコードをスマホで写すように要求されます。


面白いことに(恥ずかしいことに)QRコードをカメラでのぞくだけでロックが解除されます。そして初乗りのせいか、よくわからない音楽が高音でなります。これマジやめて!恥ずかしい、周りに人がいたら。

とはいえ、UIは非常にわかりやすい!これだよこれ、JumpBikeはよくないインターフェースで、ロック解除で苦戦したし、間違えて再ロックしてしまってたので、このシンプルさとIoT感はいいなと思いました。

あとはサドル調整して、またがって、電動アシストでグングン!このままTrailに突っ走りました。


⑥ロックして課金終了

22分くらい運動して戻ってきました。近所に乗り捨てします。うっかりロック忘れがないように、スマホ画面にはロックの仕方がつねに表示されています。


やり方は簡単で、後輪にあるカギをかちゃっとはめてタイヤロックするだけ。日本でもよく見るタイプのカギでしたのでよかったです。スマホ、サービスとも連携して、課金タイムが終了して、スマホには結果が表示されます。

⑦結果の表示

カロリーやCO2削減データまで表示されます。これ、最後にためこんで都市のPRに使うつもりですね。私の消費カロリーも表示されます。位置情報はGPSで追尾されていますので、ログとられます。ウーバーとかとおんなじ仕組みです。


課金した金額ものせーや!
って思いました。

はい、クーポンも使い切って、5ドルくらい消えていましたね。


その他(サブスクリプションと充電、通報システム、Juicerプログラム)

正直ちょっとお試しで乗ったつもりが、電動自転車ということもあり、なかなか高いなと思いました。値段はJump Bikeのほうが安かったと思います。たしか30分1ドルだったかと。

値段気にするのが嫌だというひとは、29ドルの月額サブスクリプションもありました。サブスクリプションを払えば、毎月100ドル分のライドと、追加のライドも半額で乗れるそうです。安いかは、人によりけりでしょうね。

そして、通報システムがあります。下の画像の左下にあるアイコンを押すと違法駐車や故障やロックが解除できないなどについて、通報や質問チャットができる機能がついています。


そして、最後にJuicerプログラム
これはどうやら一般の人がLime Bikeの充電担当になってちょっと稼いでみない?というものだ。指定のバイク担当になり、電気が切れそうになったら回収して持ち帰って自分の設備で充電をしてあげる。そして、Lime Bikeがいい場所を教えるからそこに戻してじゃんじゃん乗ってもらう。

そして、そのバイクが使われた分いくばくかの支払いを受けられるだろう、というもののようだ。つまり、一般人に充電させて駄賃を払う、こうすることでコストを最小限にするというものだ。

https://www.recode.net/2018/3/24/17159504/limebike-scooter-sharing-charging-crowdsourcing

ああ、なるほど

これがニュースに書いていた、プライベートマーケットプレイスか!

おそらく電池が切れそうになったら、アプリが知らせてくれるのだろうし、乗客候補はそのバイクのロックを外せなくなるのかもしれないな。乗っている途中で電気が切れるのは不便だろうから。


(追記)5月20日
ちょうどこの話が最新のニュースで出ていました!
https://www.recode.net/2018/5/20/17328110/lime-limebike-dockless-scooters-san-francisco-charge-drop-off

下はJuicerになったときのアプリ画面です!充電すれば1台で12ドル相当がもらえるとのこと。バッテリーの残り具合や緊急度に応じて値段をつけて、充電してもらうということでしょうか。10台で120ドル!?まるで町に小銭がたくさんおちているみたいですね。サンフランシスコでも同じ仕組みで運用されているようです。ドックレス、電動自転車、スクーターは充電が命ですもんね。

Where to pick up scooters and how much they will be paid for charging those scooters.

詳しくはリンク先をどうぞ。英語だけど。

さらに、同じ電気スクーターのBIRDでも同じような市民によるチャージサービスをやっていました。以下の記事によると、高校生が張り切って学校帰りにミニバン使って集めて充電して、次の朝にリリース。ふだんも数百ドルで、多いときは一晩で600ドル稼ぐことも!!!これは小遣い稼ぎにはもってこいですね!!
https://www.theatlantic.com/technology/archive/2018/05/charging-electric-scooters-is-a-cutthroat-business/560747/


感想

自転車の課題は正直いうとダサいことだと思いました。

それは、乗ったりロックするときの微妙なうるさい音楽と、全体のデザインカラーですね。これに乗ってトレイルを走っているとき、気持ち恥ずかしかったです。まあ慣れでなんとかなるかもしれません。

あとは値段設定ですかね、ちょっと高いなーというのが本音です。サブスクリプションで1か月29ドルとかどうですか??自分で自転車買おうってふつうに思いませんか?

一方で、Juicerプログラムは面白いチャレンジだと思いました。いまいちいくら支払われるのかわかりませんが・・まあ基本的にこういうシェアリングはあまり儲かりません。

面白いけど、持続的なエコシステムにまで発展できるかは私はきびしいのではと思っています。

なにより、都市にも、住民にも、自転車の需要がそこまで高いのかはずっと疑問もありますので。

もしそこまで自転車をラスト、ファースト1マイルにはやらせたいのであれば、自転車専用道路の設計がもっと重要だと思います。

今のままだと仮にバイクが流行ったとしても、道路を埋め尽くしていた自動車が、歩道を埋め尽くしてしまうだけではないかと思います。


以上

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