Uberが買収したシェアリングバイク「Jump Bikes」のサービスを利用してみた@サンフランシスコ
サンフランシスコに野球観戦しに来たついでに、アメリカで流行っているシェアリングバイクを試してみたい!!
そう思って、早めにCaltrainのBulletエクスプレスに乗って、集合時間の1時間早く終点のサンフランシスコ駅に到着した。この日はサンフランシスコジャイアンツと、ドジャースの試合だ。だいぶ早く来たつもりだが、電車は両チームのキャップやユニフォームで身を包んだ人たちでいっぱいで座れず、1時間立ちっぱなしのスタートとなった。
(サンフランシスコ駅前の図)
アメリカの都市で流行するレンタルバイク
レンタルバイクは最近日本でもベンチャー企業が始めて買収されたり、潰れたり、大成功には至っていないが、たびたび注目されているサービスだ。
特に中国なんかではレンタルサイクルは巨大マーケットに成長しつつある。中国は自転車自体が非常に一般的に使われている交通手段であり、まさに所有から利用へのシフトが起きている。OfoやMobikeなどが中国では有名な会社だ。
一方アメリカは基本、車社会なのだが、大都市においては、車の利便性が完全に殺されている。とにかく道路は狭いし、駐車場は少ないうえに高い、(3時間の駐車で20ドル以上とられる)一方通行などの制限も多く、歩行者も多い。神経と時間とお金をすり減らすのだ。そんな中で、大都市における移動は、マルチモーダル(さまざまな移動手段を使う)が流行ってきており、レンタルバイクはそのソリューションのひとつとして、注目され、様々な企業がサービスをしている。
近年、Uberがそんなレンタルサイクルの会社Jump Bikesを買収し、サービス連携したのもそういった背景からだろう。買収の値段はTech Crunchからは2億ドルと言われているが、正確な額は会社から公表されていない。
(サンフランシスコ駅すぐ横にあるフォードのレンタルサイクルドック)
サンフランシスコの街をとくに休日歩くと、実際、結構な数の電動キックボードや自転車で移動している人がいたり、街中に放置されているのを見かける。
SFにある4つのバイクシェアリング企業
サンフランシスコにはたくさんのレンタルバイクサービスがあるが、主な4つを紹介する。
①フォード、②Lime Bike、③BIRD、④Jump Bikes(Uberが買収)だ。
ひとつ目の紹介はフォード。
上の写真にあるフォードのレンタルバイクだ。自動車メーカーがいち早くレンタルバイクに目をつけているのだからすごいことだ。サンフランシスコ駅にドックが併設されていて、駅からすぐに借りられるのが利点だ。もちろんアプリで簡単にロックして動かせる。駅にあるのはほとんどが普通の自転車だが、電動付きのもあるらしい。一度だけ見かけた。ただ、年間会員になって、金を払う必要があるので、旅行者的には面倒極まりないような気がする。ローカルの人向けだろう。あまり駅近くで乗っている人はいなくて、電動付きのを乗っているひとは、ガチの通勤勢のひとっぽかった。ただ、観光地のPier付近にもドックがあり、埠頭をサイクリングするのに使われている人は結構いた。
2つ目と3つ目は、まとめて紹介するがどちらもスタートアップ、Lime BikeとBIRDだ。
今アメリカの流行といってもいいだろう、「電動キックボード」のレンタルだ。1時間2ドル程度の料金。電動の力で坂道も楽々?という。(バランスはどうとるんだ!)自転車ドックのようなものはなく、道端、どこにでも乗り捨てできるのが魅力らしい。
サンフランシスコの街でもっともみかけるのは、放置されているのも、実際に乗って移動しているのも、この2つだ!(そのうち問題になりそうだけど!)
ただ、乗り方に慣れが必要なのと、歩道をガンガン進んでしまえるため、その危険性が叫ばれている。もし事故が起きたら、社会問題になるが、それまでは好調をキープしそうだ。バードは最近資金調達にも成功したらしい。


https://www.businessinsider.jp/post-165674
Jump Bikeに乗ってみよう
そして、今回私が体験したJump Bikeだ。写真ではぱっとわかりづらいが、自転車は大きく、電動やセキュリティロックの仕組みが結構な厚みをもっており、もうとにかくでかい。これに乗って歩道を走るのは忍びない!と思うくらいでかい。
(あやしげな駐車場にたたずむJump Bikesのレンタル自転車、でかい)
これは特定のドックを持たないことをメリットとしている。
すなわち、公共の適切な駐輪スペースであれば、乗り捨てオッケーだ。したがって、以下のようにサンフランシスコエリアではたくさんの場所に散らばっていて、アプリで検索、予約が可能だ。30分1ドル課金される。クレジットカードを登録し、お金をチャージして、利用時間に応じて支払う。それでここからが体験記、初利用、マニュアルノーチェックの人間にさまざまな苦難が押し寄せる。
1.バイクを拾うのが大変
(Jump Bikesのアプリ画面、検索してバイクをタップして予約する)
おお、街に広くちらばっていて・・ちらばっていて・・!ちらばりすぎだ!
そしてちらばって1台ずつくらいしかない。複数人で借りたいときは骨がおれるな。
マルチモーダルとは電車や自転車、ウーバー、さまざまな交通手段を円滑の乗りつないで目的地に素早く着くということが価値だと思うのだが、なんと、サンフランシスコ駅の近くには1台しかなかったのだ。(それも徒歩5分)
5分だから近いといえば近いのかもしれないが・・交通の最適化において、徒歩5分を計算に入れるとけっこうな無駄だろう。それが自分の目的地とは反対方向にあった場合、その徒歩五分はさらに距離を広めることになる。駅などの有名スポットにはつねに回しておいてほしいくらいだ。
文句をいいながら、そのバイクをアプリで予約し、進んでいくと次の問題が差し掛かった。
2.バイクが置いてある日陰ゾーンに行きたくない
自転車の場所に誘導されていくと、どんどん表通りを離れて裏通りへ進んでいった。観光客やローカルも通らない。あやしげに自動車が沢山放置されていて、ちょっと怖さを感じる場所だった。
ここ以外のシェアバイクが置かれている場所も探しに行ってみたが、年季の入った、ホームレスの方々が道を塞いでおり、危険を冒してまでシェアバイクに乗りたくないという気持ちが勝った。
これ、犯罪スポットにおいて待ち伏せすることできるんじゃない?
私はとくにビビりなのでこのような変な場所にばかり置かれているのを見ると、心理的ハードルが非常に高いと感じた。
3.UIがけっして簡単ではない(マニュアルを読もう)
アプリで予約して、ボタンを押したらロックが外れる。そんなことを夢想していた。
いな、自転車の後部についている端末を操作して、Uハンドルバーを引き抜く作業が待っている!!!
端末をいじると、アプリで予約した人間かどうか、ID代わりにPINキーをきかれる。これを入力する。しかし、ボタンが押しづらいうえに反応がわるい。そして、さらに予約した際の特別な番号の入力も要求される。
入力が終わると、横の駐輪スペースにかかっている、Uの字ハンドルバーが引き抜けるようになる。これがカギ替わりなのだ。
引き抜いて・・・置き場がないので、また私は同じ場所に刺した。
これが間違いだった。
写真にもある通り、反対側に縦にさすべきだった、らしい。
引き抜いたのに自転車が動かない!!
同じ場所に刺したことで、自転車がロックされたのだ。後ろの端末を見ると、またコード入力を求めていた。解除しようと入力してみると、「乗り捨ての完了」がされてしまった。
これで私は2ドルとられた。
自転車はロックされた。
同じ自転車は誰かに予約されたのか、今から再予約もできない。
あれ?おれなにしにきたんだっけ??
一日の朝のテンションが凄いスピードでさめていった。
まあ、という具合に、Uberのような洗練されたUIはなくトホホ仕様、マニュアルを読め!という古き良きアメリカ仕様だ。まあ、、これからよくなっていくだろうと信じている。Uberが買収したんだから!
というわけで、この辺のレンタルサイクル利用の際は、けっして油断はされず、事前にマニュアルはしっかり読んでおくことをお勧めする。
4.ローカルの交通法規を守らなければならないリスク
当たり前だけど、自転車も軽車両。交通法規の順守が必須だ。
アメリカだと自転車は車道や専用の自転車ロードを走って、ヘルメットつけて、ハンドサインも使っていくことが基本的なルールのようだ。交差点の信号で、車の目の前に自転車が停まって、ハンドサインしつつ曲がっていくことなってのもよく見る。
しかし、
私もだが、観光客がヘルメットなど持っているはずがない。
また、細かなカリフォルニアの自転車ルールだって勉強していない。
そして、大都市、サンフランシスコにはそこかしこで、警察がウロウロしている。
捕まったらどうしよう??
これは結構ハードルになるんじゃないだろうか。私もおそれていた。
ただ、実際に使っているひとをみると、9割はヘルメットをかぶっていなようだ。
多目にみてもらっているというべきか。ただ、絶対安全ではないと思う。つまらないリスクを観光地で負いたくない。ローカルならともかく観光客にはこれは困りものだ。
その面、
キックボードは自転車と同じには扱われなさそうだから、ある意味、法の抜け穴としても重宝されているのかもしれない。(少なくとも地元民には)
ただ、乗りなれていない電動キックボードを大勢が使えば、色んな事故が起きるだろうな。
そういうわけで、まとめると
まだまだ課題が多いな!大都市のレンタルバイク!!
でした。
ただ、実際に使っている人は多いというのも事実。ライバルも出そろってきていて、これからどんどんUIも改善されていくだろうサービスだと思う。。。
ホントかな。
真の普及にはインフラの整備がセットで必要になると思う。狭すぎる歩道を、自転車やキックボードが通り抜けるシーンを沢山見てきたが、あれはどうみてもお互い危ないし、効率的な移動手段ではない。
なので、ほんとにイニシアティブをとるには、もう一工夫必要だ!スマートシティ計画にのっかるかたちで、自転車ゾーンを整備、そしてセットで提供するべきだ。
以上
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